ニュースソクラのキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がよりすぐり、特にとがった記事をピックアップしました。今週は森友問題での国会空転と週末の佐川国税庁長官の辞任、米朝首脳会談の実施決定、トランプ大統領が高関税に署名し貿易戦争に火ぶたを切るなど、未来を左右するニュースが続々でました。それらの解説ニーズも高いのでしょうが、ホットなニュースから少し距離を置いて、将来、論点になりそうな記事に、ちょっと遊びの要素も入れて選びました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■サムスン、最先端工場の起工式で珍事…超高額で購入の装置、使い物にならない可能性 (ビジネスインサイダー)=訂正、ビジネスジャーナルでした。お詫びして訂正します。
総帥が召喚され不在なに絶好調決算のサムスンで、新鋭工場がつかいものにならないだろうという話。半導体のさらなる微細化をめざす新工場の中核・新鋭機器、EUV(極端紫外線)という露光装置が製品をとかしてしまうのだという。技術解説部分はちょっと読みづらいが、なにしろ半導体競争の最先端のやばい話なので、流れを頭に入れるのには格好だ。EUVについてもう少しだけ簡単に読めるのは「半導体プロセスまるわかり EUVは微細化の救世主となるか?」(アスキー)があるが、実はこの記事は2014年の記事。注意深くしていればやはり未来はある程度は読めるという例でもある。
■ 地球を破壊するEV、レアメタル王がそのカラクリを解く (WEDGE)
電気自動車(EV)が地球にやさしくないとう点に関してはいろいろ論点があるが、レアメタルの面からそれを解いている。どのくらい深刻かは読んでそれぞれに判断を。関連してトヨタが説明会や発表会を連発する理由 (ITmedia) もお勧め。もう止まりそうにないEVシフトのダメな面はみえてくる。
■タトゥー裁判のクラウドファンディング始まる 亀石倫子弁護士「司法を身近に」(Buzzfeed)
入れ墨の彫り師が医師法違反で一審で罰金刑になった。表現の自由が妨げられるなどとして控訴しているが、人権裁判は弁護士の手弁当ではなりたたないと裁判費用をクラウドファンディングで集めるというのが新鮮。担当しているのは、令状なしのGPS捜査を違法とした最高裁判決を勝ちとった弁護士が担当している。入れ墨を芸術とみている点も見逃しがたい。
■ 2018年漁期シラスウナギ採捕量の減少について(その6) 新しいシラスウナギ流通 (中央大学法学部/ウナギ保全研究ユニット)
理不尽な規制で違法ウナギが出回り、その筋にマネーが流れているのではないかというお話で読み応えがある。メディアでなく中大の研究室が発信している点がおもしろい。いわゆる自己発信スタイルの記事(コラム)の可能性を感じさせるので紹介させていただく。
今週の4本 サムスン新工場に技術的不安 |
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【編集長のイチオシ】ヤバいサムスン/ EVは環境にやさしくない/裁判費用をクラウドで /違法ウナギ
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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