ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップ)した記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■日産、戦略迷走のツケ 4~6月99%減益 (日経電子版)
日産の2019年4-6月期決算が営業利益で99%減益の16億円にとどまった。なんとか赤字にだけはしなかったという惨状だ。よくみればゴーン戦略の負の遺産である、米国市場の立て直しの最中だからということだが、それにしてもひどい。西川体制の正当性を疑わせる内容だ。微妙な関係のルノーも「ルノー、1~6月最終益50%減 売上目標を下方修正(日経)」とガタがきている。日産を悩ます余剰人員と流出人材(日経ビジネス)には、若手の優秀な技術者の流出が書かれている。まるでゴーン経営の正当性を訴えるような展開で、日産の迷走を予感させる。
■自衛隊とイラン革命防衛隊の交戦「現実味帯びる」。米軍主導の有志連合参加が意味すること(ビジネスインサイダー)
ホルムズ海峡などでのタンカー護衛のための有志連合構想に、日本は資金協力だけで済ますのは難しく、自衛艦を派遣せざるをえないだろうと見る。しかし、相手は、正体不明の海賊などではなくイスラム革命防衛隊。イランと敵対関係に入るのは必至だ。この記事からは離れるが、トランプのプッシュで前のめりの安倍首相に対して、自衛隊や防衛省、岩屋防衛大臣が慎重な姿勢を示している。岩屋更迭説も浮上している。
■「アスクル」乗っ取り「強権発動」に隠された「ヤフー」の陰謀 (フォーサイト)
日経時代の畏友、磯山氏のインサイダー的解説記事。やはり孫さんの意向だったのか、と思う。ただ、孫さんが自分で仕切る案件と異なり細かい点まで指示はしなかったのだろうか。ヤフーサイドはうしろめたいからか、情宣負けしている。1日にアスクルは取締役会を開いて自社株の売渡を求める構え、ヤフーとアスクルの間にはアスクルが株買戻しを要請ができる契約があるとアスクルサイドからは聞こえてくる。2日の株主総会はヤフーの思惑通り、アスクルの社長や社外役員を解任するのだろうか。解任必至アスクル社長激白、ソフトバンクとヤフーの介入許さない!(ダイヤモンド)で岩田社長はソフトバンクはアスクルの配送機能がほしかったのだと言っている。
■ジャニーズの暗部に触れないメディアの罪 (プレジデントオンライン)
元週刊現代編集長の元木さんのジャニー喜多川礼賛報道にくぎを刺す記事。暗部とは喜多川氏がゲイであることに絡んだアイドルへのセクハラ疑惑。1980年に元木氏がそれを指摘する記事を書いて、講談社内で左遷されていたとは知らなかった。
日産の悲惨な決算、ゴーンのツケだが社内にはゴーン郷愁も |
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【編集長のイチオシ】日産/有志連合/アスクル/ジャニーズの暗部
西川日産CEO=Reuters
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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