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韓国与党、「サムスン応援」の国民と温度差

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【ソウル発】死去のサムスン李会長、進歩系与党も態度豹変

公開日: 2020/10/26 (ワールド, ビジネス, IT/メディア)

李健熙サムスン会長=CC 李健熙サムスン会長=CC

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

 サムスン電子の李健煕(イ·ゴンヒ)会長が25日、長い病床生活の末、死去した。14年5月、急性心筋梗塞で自宅で倒れて以来、6年5か月ぶりのことだ。李会長は韓国の二流電子会社を世界最高の企業に成長させて、今日の「世界のサムスン」を生んだ韓国財界の大物だが、いざ韓国与党をはじめとする進歩系政界では、彼に対する評価は厳しかった。

 「李会長はサムスンの世界的な成長をけん引し、韓国経済成長の礎を築いた主役だった。韓国で最も成功した企業家として華やかなスポットライトを浴びたが、彼の人生は波乱万丈な栄辱の人生だった。 李会長の言葉通り、サムスンは超一流企業を標榜したが、そのための過程は時々超法規的だった。経営権世襲のための仕事の集中発注や不当なインサイダー取引、政経癒着と無労組経営など、彼が残した否定的な遺産は韓国社会が清算しなければならない時代的課題である」

 共に民主党がスポークスマンを通じて出した論評は、李氏の人生を「栄辱の人生」と評価し、功績よりは過ちを強調するニュアンスが強かった。李洛淵(イ・ナギョン)代表も、本人のSNSで「李会長の死に深い哀悼の意を表する」としながらも、「サムスンは李会長の死去をきっかけに生まれ変わらなければならない」と強調した。

 「財閥中心の経済構造を強化し、労組を認めないなど否定的影響を与えたという点も否定できない。 不透明な支配構造、脱税、政経癒着のような影も残した。故人の革新的リーダーシップと不屈の挑戦精神は、どの時代、どの分野でも見習わなければならない。サムスンは過去の誤った輪を断ち切って新しく生まれ変わることを望む」

 最も進歩的政党であると自評する正義党の論評は、サムスンに対する否定的な認識を露骨に示した。

 「李健煕会長は政経癒着や無労組経営という超法規的経営などで大韓民国社会に暗い歴史を残した。 影が李在鎔(イ·ジェヨン)副会長につながった。暗い歴史の影を消し、財閥改革を自任する国民のためのサムスンになることを願う」

 また、正義党は「李会長をはじめとするサムスン家が法の審判台にある」とし、李氏の葬儀には弔問に行かない考えを示した。サムスン家でも、「家族葬で葬儀を行う」とし、政界の弔問を受けないと宣言したが、韓国では非難の声が出ている。保守系政党・国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は、フェイスブックで次のように正義党を非難した。

 「かつて、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の弔問を提案していた正義党が、李健熙会長への弔問は行わないと主張している。世界で一番貧しい国を作った金正日より、世界一の企業を作ったことで貧しい韓国を豊かな国に変貌させた経済リーダーの人生のほうがもっと価値がないと判断したのだ」

 非難の的になっているのは正義党だけではない。次期大統領の座に最も近い候補として取り上げられている李洛淵代表の発言には、3千件を超える非難の書き込みが掲載された。

 「こんな哀悼は一層しないほうがましだ」

 「あらゆる不法不正を犯した民主党出身の人々が死んだ時は、故人を冒涜するなと言っていたのに、李健熙会長に対する名誉をなぜ貶めるのか」

 「盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領、魯會燦(ノ・フェチャン)元議員、朴元淳(パク・ウォンスン)前市長も光と影を明確にして功過を記憶しなければならない。しかし、その時は過ちを反省しなさいとは言ってなかったじゃないか」

 李健煕会長は1987年12月に父親の李秉チョル(イ・ビョンチョル)会長の後を継いで、サムスングループの2代目会長として就任した。以来、2014年に心筋梗塞で倒れるまでの27年間、サムスンを飛躍的に発展させてきた。会長就任当時、9000億ウォンだったサムスングループの時価総額は、2014年に318兆7634億ウォンを記録し、348倍に増加した。売上高は9兆9000億ウォンから338兆6000億ウォンで34倍に増えた。資産は8兆ウォンから575兆1000億ウォンへ70倍以上増え、名実共に財界1位を強固にした。役職員の規模も10万人余りから、国内外合わせて42万人水準に急増した。 就任演説で「サムスンを世界的な超一流企業に成長させる」といった約束を守ったわけだ。

 一方、共に民主党をはじめとする進歩系政治家が指摘しているように、政経癒着(政治権力と経済人の癒着関係)や労組設立の妨害、経営権継承過程での不法疑惑など、過ちも少なくなかった。ただ、現在のサムスンは、その代価を十分に支払っている。 

 李在鎔副会長は朴槿恵(パク・グンヘ)前大統領の国政壟断の関連疑惑や、サムスンバイオロジックスの粉飾会計疑惑で触発された不法承継疑惑、労組設立を故意に妨害した疑惑などについて、それぞれ裁判が進行している。数多くのサムスンの前・現職幹部たちも、李副会長とともに裁判にかけられている。

 「反サムスン団体」というニックネームが付けられている市民団体出身が要職を占めている文在寅(ムン・ジェイン)政権で、サムスンはもう過去のような特別な恩恵を享受することができなくなったどころか、政権の財閥改革と弊害清算の対象となっている。文在寅政権発足から昨年まで、サムスンは20回余りの韓国検察による家宅捜索を受けるなど、これまでのしわ寄せが一時にサムスンを襲う危機に陥っている。

 こんな状況でも李会長の死の前で、過去の過ちをあえて暴き出して非難する進歩系政治家たちの無礼さに、韓国国民は憤っているのだ。しかも、自称進歩派政治家たちは、盧武鉉前大統領、魯會燦元正義党議員、朴元淳前ソウル市長など、進歩を代表する政治家らが賄賂や性スキャンダルなどの醜聞に巻き込まれて自殺したときは、彼らに向けられたたいかなる非難も容赦しなかった前歴もある。

 自分たちへの世論が尋常でないことを受け、共に民主党指導部は26日、急いで李会長の遺体安置所を訪れ、弔問した。李洛淵代表は葬儀場の前で会った記者団の質問に対し、「一般の人々は想像もできない卓越した革新のリーダーシップでサムスンを世界的企業に育て上げた」「故人がしてきたように韓国経済をより発展させながら、世界の人々から愛される企業にさらに跳躍してほしい」とコメントした。前回とは180度違うニュアンスだった。

 現在、サムスンは国内外で類を見ない危機に直面している。コロナ・パンデミックや米中の経済戦争などの国外的な環境だけでなく、「財閥改革」「労働者中心」を掲げる文在寅政権の経済政策により、国内環境も困難にさらされている。サムスンの経営権も霧に包まれている。現在進行中の裁判で不法承継疑惑が認められる場合、李副会長は経営から手を引かなければならないかも知れない。

 未曾有の危機に直面しているサムスンを応援したいというのが韓国国民の普遍的な情緒なのだ。今でもサムスンは韓国の誇りでもあり、李健煕会長は韓国人が最も尊敬する経営者である。
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