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一番やりたいのは調査報道

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講談社・現代2020企画部長兼現代ビジネス編集長・瀬尾傑氏に聞く(上)                        (ソクラ)

公開日: 2014/10/31 (IT/メディア)

講談社・現代2020企画部長兼現代ビジネス編集長・瀬尾傑氏に聞く(上)                        (ソクラ)

  
 ネット上の記事を選別し集めるキュレーション・サイトが次々と起こり、ネットメディアにも地殻変動が起きつつあります。ネットメディアの旗手たちにその将来像を語っていただきました。一人目はネットメディアのさきがけ的な存在である講談社・現代ビジネス編集長の瀬尾傑氏。グノシー最高経営責任者の福島良典氏、スマートニュース執行役員の藤村厚夫氏、ニュースピックスを傘下に持つユーザベースの代表取締役、梅田優祐氏に順に登場いただきます。

――ウェブメディアの先駆けですね
 そうですね。開始から丸4年ですが、ネットオンリーのビジネス媒体というのは大手出版社では僕らが初めてです。 
政治、経済、メディア、ライフスタイルに関心のある人に、信頼度の高い情報を提供するという方針でやってきましたが、今年のニールセンの調査だと、年収1000万円以上の人が読むビジネスメディアの中で『現代ビジネス』が1位になりました。
――苦労もありましたか
 コストが問題でしたね。デジタルの実験的なメディアは多々ありますが、それは赤字でもいいと思ってやっている分、気楽だと思うのです。僕らは「ジャーナリズムのビジネスモデル」をつくるという目標があり、黒字にこだわっていたので、そこが難しかったですね。とはいえ、初年度から黒字を達成し、業容拡大に併せてコストも上げています。
――現在の編集部の人数は
編集部が所属する現代2020企画部には、僕を含めて正社員が4人います。そのうち『現代ビジネス』の編集にかかわっているのは、僕以外に兼務の社員が2人です。ほかに編集の契約スタッフが3人います。
――ターゲットとしている読者層は
 イメージは30代のビジネスパーソン、自分で世の中に働きかけたいと思っているような人ですね。上場企業に勤めていても、1社にずっといる人じゃなくて、流動化してる人です。やりたいことを実現できる場所があればそこへ移るというような、ベンチャーや上場の垣根を越えて動く人ですね。
   どちらかというと、今までのビジネスメディアは、ずっと同じ会社にいる人をターゲットにしているんです。『週刊現代』もそうですが、サラリーマンが電車で読むようなメディアのイメージですね。『現代ビジネス』はそれとは違う、流動的な人をターゲットにしています。
――4年間続けられてみてどうですか
   メディアの中でイノベーションを起こしたい、という思いから立ち上げましたが、その点では一定の成果を上げています。テレビの視聴率、新聞の部数と同じように、ネットメディアもPV(閲覧数)を競っている。それが速報主義ならではの誤報を生んだり、スキャンダルばかりが取り上げられたりという現状を招いている。そこからどうメディアを切り離すかが課題です。信頼できる、質の良いコンテンツを育てたいですね。
――質を良くすることが広告単価に反映するのですか
 そうですね。例えばまとめサイトやバイラルメディアなど、情報の質は問わない、話題になってPVが上がりさえすればいい、ってメディアがありますよね。アドセンスなどの自動広告は内容を問わずにつくのだから、それも一つのビジネスモデルとして正しい。極端に言えば、間違いだったり、人権侵害だったりしても、PVを稼げればそれでいいというモデルです。収益が同じだったらコストは低い方がいいから、記事の質は関係ないですよね。彼らと競争しても、取材にお金をかけるメディアに勝ち目はないですよ。その競争をしないというのが重要です。
――広告主が「質」を買ってくれるということはありますか
 ありますよ。僕らの性格を理解してもらっています。僕らの特徴は、例えば田原総一郎さんや津田大介さんなど、影響力のある人たちが書いていることと同時に、読者参加が可能だという点です。
 例えば、対談の中継を公開して、その動画にコメントしてもらったり、中継中にツイッターでつぶやいてもらったりして、僕らがそれを拾って対談の中でぶつけてみる。また、シンポジウムなど直接質問ができるイベントも開く。デジタルの中だけにこだわらないで、読者との関係を作ってきたのです。
    結果的に、読者のロイヤリティが高くなりました。おかげで、大きな300人くらいのイベントでも参加者が集まる。ロイヤリティの高い方がついているメディアだと、広告主さんは評価してくれています。
――課金も検討しているそうですね
    今までも有料メールマガジンという形の課金はありましたが、新たな課金モデルを検討しています。コンテンツを売るというより、『現代ビジネス』との新しい関係を売るというイメージです。イベントなどインタラクティブな場所を提供するという形で、会員じゃないとできないような体験を作りたいと思っています。
――他にはどんなビジネスモデルを考えていますか
     一番やりたいのは調査報道ですね。新しい問題や、人を発掘したいと思っています。
でも、調査報道にはお金がかかる。じゃあどうするかと、当初から考えています。一番シンプルなのは、その他のところで儲けた分を調査報道につぎ込むことですね。『ハフィントン・ポスト』や『バズフィード』がそれに近いと思います。僕らはそういった方法も考えていますが、同時に地道にできる調査報道のモデルも作ります。年内にはその仕掛けを発表しようかと思っています。
――寄付などを求めるのですか
 簡単にいうと、クラウドファンディングです。講談社には書籍のプラットフォームがあるので、書籍を巻き込む形のクラウドファンディングを考えています。
 『ハフィントン』や『プロパブリカ』は、篤志家の寄付で成り立っているビジネスモデルですよね。残念ながら、日本ではこのモデルは難しい。寄付文化がないこともありますが、それ以上に、ジャーナリズムが寄付の対象、つまり、社会に必要なものだと思われていないのですよ。アメリカでは、ジャーナリズムが民主主義に必要な機能の1つだと思われていて、世の中に関心のある財団が金を出すっていう仕組みができている。でも日本では、ジャーナリズムは情報の非対称性を利用した商売だ、新聞社とかテレビ局とか雑誌社とか、大企業が独占的立場を利用して得た情報で儲けている、既得権益な商売だ、そう思われていますよね。そこが変わらないと、寄付モデルは成り立たないと思うのです。
(聞き手はニュースソクラ編集長・土屋直也)
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