東北地方で17日、やや大きな地震が2回発生しました。午前8時6分、三陸沖を震源にマグニチュード6.9の地震が発生し、気象庁は津波注意報を発表しました。午後1時46分には、岩手県沖でマグニチュード5.7の地震が発生し、青森県南部の階上町(はしかみちょう)で震度5強の揺れが観測されました。気象庁によれば、2つの地震は2011年の東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の余震だったようです。余震はいつまで続くのでしょうか。
余震とは、地震(本震)によって生じた岩盤のずれによって発生する地震のことです。本震の規模や震源の場所などにより、ずれの生じ方に差が出るため、余震の続く期間や発生する範囲は、本震によって様々です。東日本大震災の場合、岩手県沖から千葉県沖までの広い範囲が、余震の発生する余震域(図参照)とされており、この範囲内を震源にした最大震度4以上の地震が、2011年3月11日から今年1月までに338回発生しています。
ところで、東日本大震災後、余震域外でも大きな地震が発生しています。例えば東北地方太平洋沖地震の13時間後の2011年3月12日3時59分、長野県北部でマグニチュード6.1の地震が発生し、同県栄村で最大震度6強を観測しました。しかし、この地震は東北地方太平洋沖地震の余震ではなく、大地震によって日本列島の広い範囲に強い力がかかった結果、離れたところの断層に負荷が加わって発生した地震と考えられています。
また、今回は近い範囲で1日に2 つの地震が発生しましたが、気象庁は2つはたまたま同じ日に発生したもので因果関係はないようだと発表しています。どちらも東北地方太平洋沖地震の余震ではありますが、震源域が200キロ以上離れていることなどから、午前の地震が午後の地震を誘発したとは考えにくいようです。
大きな地震後は最短でも1週間から10日程度は余震に注意が必要とされており、特に大規模な地震ではさらに長期にわたって余震が続く場合があります。阪神淡路大震災を引き起こした1995年1月17日のの兵庫県南部地震は、震災後20年が過ぎた今でも余震が発生しており、昨年は震度1以上の地震が余震域で計12回発生しています。東北地方太平洋沖地震の余震も、まだしばらく続いていきそうです。