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米韓首脳会談 文政権のバイデン政権に急接近

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【ソウル発】クアッド参加は避けたものの、北京も狙える「ミサイル指針撤廃」

公開日: 2021/05/23 (ワールド)

米韓首脳会談(ワシントン2021年5月21日)=Reuters 米韓首脳会談(ワシントン2021年5月21日)=Reuters

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

 バイデン米大統領と文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との初の米韓首脳会談が、21日(現地時間)、米ワシントンにあるホワイトハウスで開催された。

 文在寅大統領の訪米を控えて韓国では、米国の対北朝鮮政策協力、韓国のクアッド加入、コロナワクチン確保などを最優先課題に挙げていた。韓国大統領府が公開した米韓首脳の共同記者会見や共同声明文を通じて、それぞれの議題に対する成果を分析してみた。

 まず、バイデン政権の対北朝鮮政策は文在寅政権が最も重要に考えた議題だ。文在寅政権は、バイデン政権がオバマ政権の「戦略的忍耐」ではなく、トランプ政権の「米朝対話」を続けることを切に願っていた。

 シンガポール合意を継承しなければならないという意味を公式、非公式的に何度も伝えたと報じられた。この問題は、共同宣言文に、次のように明示されている。

 <私たちは2018年の板門店宣言やシンガポール共同声明など、既存の南北間、米朝間の約束に基づいた外交や対話が、朝鮮半島の完全な非核化、および恒久的平和定着に欠かせないという共同の信頼を再確認した。バイデン大統領は、南北対話について協力や支持を表明した>

 日米首脳会談で言及された北朝鮮核問題に対する「CVID」という表現の代わり、「完全な非核化(CD)」という表見を使った点、「北朝鮮」ではなく、「朝鮮半島」の非核化という表現が入った点、「板門店宣言」や「シンガポール宣言」が言及された点は文在寅政権の要求が全面的に受け入れられたものとされる。文在寅政権にとって、今会談の最高の成果と思われる部分だ。

 ただ、バイデン大統領は記者会見で、「前提条件なしに金正恩に会わないか」という記者の質問に、「非核化の意志があれば会うこともできる。その意志とは核兵器庫に対する議論が行われるべきだということ」「最近の出来事を繰り返さない」と答えた。

 つまり、トランプ大統領のような成果のない会談はしないという意味に解釈される。また、「まず、私のチームが北朝鮮のカウンターパートと会わなければならない」と付け加えて、文在寅政権が希望する「トップダウン」方式の対朝外交はしないとはっきり線を引いた。

 中国と関連した問題については、次のように言及されている。

 <また、韓国とアメリカは太平洋島嶼国との協力強化に対する支持を再確認し、クワッドなど開放的かつ透明で包容的な地域多者主義の重要性を認識した>

<韓国と米国は規範に基づいた国際秩序を阻害し、不安定または脅威となるすべての行為に反対し、包容的かつ自由で開放的なインド太平洋地域を維持することを約束した>

<我々は南シナ海及びその他の地域において平和的安定、合法的かつ妨害されない商業及び航行・飛行の自由を含む国際法の尊重を維持することを約束した>

<バイデン大統領と文在寅大統領は、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調した>

 対中関係を憂慮してクワッド加入に消極的な韓国を配慮し、 米首脳会談直前に米国や日本から、「クワッド加盟国を増やさない」という主張があった。今会談でもクワッド加入問題は直接取り上げられなかった。

 ただ、中国が最も敏感に反応する南シナ海問題や台湾海峡問題は米国側の主張がそのまま受け入れられ、1ヵ月前の日米首脳会談とほぼ同じ「破格」のものとなった。 ただ、日米共同宣言文に登場した「香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に対する深刻な憂慮」という表現は抜けており、中国に対する刺激を最小限に抑えなければならないという韓国の立場が反映された可能性がある。

 米韓両国は、中国や北朝鮮が嫌がる人権問題についても言及した。

 <韓国とアメリカは、国内外における民主的規範、人権や法治の原則が支配する地域のビジョンを共有している>
 <われわれは北朝鮮の人権状況を改善するために協力するということに同意し、最も助けを必要とする北韓住民に対する人道的支援の提供を引き続き促進することを約束した>

 米日韓の3国関係については、以下のように明示されている。

<我々は北朝鮮問題を取り扱い、我々の共同安保や繁栄を守り、共同の価値を支持し、規範に基づいた秩序を強化するため、韓米日3カ国協力の根本的な重要性を強調した>

 他にも、中国牽制を望む米国と、戦時作戦権の早期返還を望む韓国の利害が一致した「ミサイル指針の終了」は今回の会談の重要な成果だ。韓国と米国は1979年、米国がミサイル技術を伝授する条件で韓国が開発できるミサイルの射程·弾頭重量を制限するミサイル指針を締結した。

 このミサイル指針は、これまで数回にわたって制限を緩和してきたが、今回の韓米首脳会談では完全に終了した。今後は、中国やロシアまで射程距離に入れる中距離ミサイルの開発が可能になり、中国側の反発も予想される。

 一方、韓国国民が最も重要な議題として挙げていたコロナ・ワクチン確保は、大きな成果を得ることはできなかった。ワクチンの確保に後れを取っている韓国では、文大統領の訪米直前、米国が8000万回のワクチンを外国に提供するという発表が出ると、文大統領が相当量のワクチンをもらって来られると期待していた。

 サムスン、SK、現代自動車など大企業のCEOらが数十兆ウォンのプレゼントを持って、文大統領の訪米に同行するというニュースも、「半導体とワクチンのスワップ」を期待させた。すなわち、米国が望む半導体と韓国が望むワクチンを交換することだ。

 共同宣言文でコロナ・ワクチンについては、「包括的な韓米グローバルワクチンパートナーシップを構築することで合意した」とし、米韓両国が韓国をコロナ・ワクチンの生産ハブにし、全世界に大量供給することに合意したと発表した。

 だが、これは早くて今年の秋から韓国でもワクチンの委託生産ができるということで、今すぐワクチンをもらえるという意味ではない。米国からの直接提供について、バイデン大統領は記者会見の席で、「米軍と頻繁に接触する韓国軍に対して55万人分を提供する」と明らかにした。つまり、米国からの直接的な提供は55万人分にとどまるということだ。

 以上を総合すると、韓国側は、シンガポール合意や板門店合意を共同宣言文に明示し、米韓ミサイル指針の完全終了を得る成果を上げた。一方、米国側は、台湾、南シナ海、日米韓3国協力を共同宣言文に明記し、韓国企業から44兆ウォンにおよぶ投資誘致に成功した。

 ただ、筆者としては、今回の米韓首脳会談の最も重要な点は、これまで中国と米国との間で「等距離」を維持していた韓国政権が米国へ急接近してきたことだ。正確に言うと、米国に引っ張られたという表現が正しいだろう。
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