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30歳代党首で旋風、韓国保守党「国民の力」が急浮上

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【ソウル発】保守系大統領候補が軒並み入党へ、前検察総長も

公開日: 2021/06/22 (ワールド)

李・国民の力代表=本人FBから 李・国民の力代表=本人FBから

 ただいま、韓国政界では、30歳代の党首を誕生させた第一野党の「国民の力」が絶好調である。

 国民の力は、全党大会直後の6月の第三週目の各種世論調査で、弾劾以降の最高支持率を更新しており、共に民主党はもちろん、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率を追い越した。来年3月の大統領選挙を控え、国民の力の爆発的な支持率上昇は政権交代の可能性を一気に高めている。

 4月のソウル市長選挙や釜山(プサン)市長選挙が終わった後、韓国政界は共に民主党と国民の力、2大政党とも、全党大会を開いた。来年の大統領選挙に向けて党の指導部を改編し、早期に大統領選挙体制に突入するためだった。

 4月の選挙でソウルや釜山で大敗した共に民主党は、選挙敗北の責任を負って李洛淵(イ·ナクヨン)代表が退いたが、宋永吉(ソン·ヨンギル)党代表を除いて依然として「親文在寅派閥」が新指導部に選出され、党内の主導権を掌握したため、世論の支持を集めることができなかった。

 一方、国民の力は、選挙大勝の勢いを全党大会まで持ち込み、注目を集めた。その中心には李俊錫(イジュンソク)候補がいた。当初、泡沫候補と思われていた李氏は、党内選挙の30%分に反映される国民世論調査で圧倒的な優位を占め、羅卿ウォン(ナ·ギョンウォン)前議員、朱豪英(チュ·ホヨン)前院内代表を抑えて、伝統の保守党の党首に選出される「異変」を引き起こした。

 1985年、ソウル生まれの李氏は、英才学校として知られているソウル科学高校と米国・ハーバード大学を卒業した秀才だ。朴槿恵(パク・クネ)前大統領に抜擢され、20歳代半ばから保守の党内で政治活動を始めた。朴槿恵チルドレンというレッテルが付きまとったが、2016年の朴元大統領の弾劾当時は党内で誰よりも率先して弾劾を主張した。若い政治家らしく、派閥政治を止め、「批判のための批判」を排斥するという合理的保守として通っている。

 非常対策委員、最高委員などの要職を歴任した華やかな党内経歴を持ちながらも、国会議員選挙では毎回落選し、「0選重鎮」と呼ばれる。政治経歴が短い李代表だが、生まれつきのコミュニケーション能力や若さを武器に、既存政治に対する強い嫌悪を抱く若い世代を攻略した。

 李代表の持論は「公平な機会」と「公正な競争」だ。李代表によると、女性割当制や青年割当制のようにアドバンテージが与えられる競争は公平ではない。老若男女、地位の上下を問わず、みんなに同じ機会が与えられ、自分の持つ能力だけで競争することが最も公正な競争だという。

 共に民主党をはじめとする進歩勢力からは、「傾いた運動場で競争しなければならない女性や弱者を配慮しないエリート主義」と批判されているが、韓国の若年層は李代表の主張に歓喜した。

 曹国元法務相の事件を通じて文在寅政権が見せた偽善や不公平は、「公正」を最も大事な価値としている若者たちから強い反発を買い、それが李代表が主張する「公正な競争」に対する支持へとつながった。

 特に、20代~30代の男性が李代表の主張を熱狂的に支持している。彼らはフェミニストを自任する文在寅政権によって若い男性こそが逆差別を受けていると思っている。

 所得主導成長の失敗や硬直した雇用市場により、史上最大の就職難に苦しんでいる韓国の若者は、男女を問わず、安定した会社に就職すること、そのものが難しくなった。もはや、20代や30代には、「女性だから差別される」という通念は消えて久しい。

 むしろ20代の雇用率を見ると女性は60%だが、男性は56%だ(2018年統計)。若年層が「良い仕事」と考えている管理職·専門職の就業率は女性が31%、男性が17%で差が大きかった。

 しかし、文在寅政権の各種政策には女性優遇が顕著だ。約2年間の軍服務(韓国の若い男性はこれを「強制徴用」と呼ぶ)に対する就業や昇進における加算点は、女性団体の反発で違憲判決を受けて無くなったが、女性には各種の女性加算点を与えるよう勧告している。

 1兆1800億ウォンの予算が割り当てられた女性家族部は、小学生向けの男女平等教育用資料に「男性は潜在的な加害者」と表現するなど、偏った認識で若い男性の反発を買っている。若い男性らが文政権のフェミニズムは逆差別だと主張しても、民主党は「勉強が足りない」「情けない」などと一蹴し、若い男性が憤る理由を知ろうともしなかった。

 李俊錫氏は怒った20~30代の男性に注目し、自ら代弁者を名乗った。保守党政治家に若い有権者たちが熱狂する初の事態が生まれると、政権交代を念願する保守勢力に加え、文在寅政権に失望した派や中道派まで合流した。いまや、李俊錫国民の力代表は韓国政界の「台風の目」となっている。

 6月11日から一週間は李氏の党代表就任と文在寅大統領のG7首脳会談や欧州歴訪が重なった時期だったが、韓国人の関心は圧倒的に李氏に集中した。ネイバーの検索量分析サービス「ネイバーデータラボ」によると、この期間は、李氏への検索量が文大統領に比べて圧倒的に多かった。

 特に、文大統領の出国日であり、李氏の党代表当選日でもある11日の場合、李氏の検索量は100である反面、文大統領の検索量は、G7と歴訪などの単語を合算しても4に過ぎなかった。

 李俊錫・国民の力代表の国民的人気が高まるにつれ、来年の大統領選挙で野党候補が勝利する可能性も急上昇している。李代表は来年の大統領選挙を控え、「国民の力が政権交代のプラットフォームの役割をする」と宣言した。

 すでに、大統領選挙の出馬を宣言した国民の力所属の元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州知事、河泰慶(ハ・テギョン)議員、劉承ミン(ユ・スンミン)前議員のほかに、党の外にいる安哲秀(アン・チョルス)国民党代表、崔在亨(チェ・ジェヒョン)監査院長、金東兗(キム・ドンヨン)元経済副首相なども、近いうちにこのプラットフォームに搭乗すると見られている。

 崔在亨監査院長は、最高裁判事出身で、文在寅政権が脱原発政策を向けて月城(ウォルソン)原発の経済性評価をねつ造したという疑惑を監査して検察に告発した。現在は、文政権を支持する市民団体から告発を受け、検察から捜査を受ける立場に追い込まれた。

 金東兗元経済副首相は、文在寅政権の初の経済副首相だったが、所得主導の成長をめぐって政権と対立して辞任した人物だ。文在寅政権の不正や経済失政を象徴する二人の人物が国民の力の大統領候補予備選挙に参加するなら、予備選挙の盛り上りに大きく役立つことは明白だ。

 さらに、現在最も有力な大統領候補である尹錫烈(ユン·ソクヨル)前検察総長も、国民の力に早期入党する可能性が高まった。李俊錫代表の人気に支えられ、国民の力に対する支持が日増しに高まっている中、尹氏側でも第3党を結成するより国民の力への入党に傾いていると報じられている。 

 「弾劾の川」を越えて若い議員たちが主流勢力になるという換骨奪胎した国民の力。来年の大統領選挙で勝利することになれば、李俊錫代表は一気に次の次の大統領候補に急浮上するだろう。

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

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