ニュースソクラのキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がよりすぐりをピックアップしました。近い将来論点になりそうな記事を厳選しました。今回は、IT系の記事ばかりになってしまっていますが、微妙に分野はずれています。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■ロシアの「フェークニュース工場は」米大統領選にどう介入したのか (ハフィントンポスト)
米特別検察官が米大統領選に介入したロシア人を訴追した際のリポートが詳細に手口を示していておもしろいらしい。朝日の平記者が、ロシアの詳細な手口をまとめたのがこの記事だ。関連記事としてはロシア情報工作、加工写真で拡散 SNS最大の抜け穴 (WSJ)に見ごたえ、読み応えあり。画像フェイクで拡散していく手口が鮮明で、ビジュアル的にもおもしろい。
■アマゾン・ゴーの出現は既存小売にとってピンチなのか? (ITmedia)
アマゾンGOが始まり、体験記事はあふれている。なかなか使い勝手はいいようで、レジレスのストレスフリーぶりは多いにリアル店舗の在り方を変えそうだ。この記事は、顧客目線より業者目線。EC(ネット販売)には食品、とりわけ生鮮品など特定商品の販売には向かず、アマゾンがリアル店舗にでてこないと消費のすべてのデータがあつまらなかったのだろうと分析する。アマゾンのリアル店舗進出は消費関連ビッグデータの完成が狙いだと読み解いている。
■AppleはiPhoneを売るために中国ユーザーのiCloud全データを中国政府に差し出す (Gigazine)
アップルが中国にクラウドデータを管理するデータセンターを建設、その運営を国有企業にゆだねる。中国の新しい法に基づく措置だが、「顧客データは中国政府に筒抜けだ」と台湾の大学教授が批判しているという。中国の検閲問題は古くて新しい。
■[特報]NTTドコモとau、ソフトバンクが打倒LINEで結託 (日経XTECH)=25日午前5時まで、以降は有料会員限定
寡占状態にあるはずの通信大手3社が、打倒LINEで手を結んだという視点が気になる記事だ。3社結託はちょっとオーバーな書きぶりで、国際規格にそろえただけにも思えなくないが、やはり気に止めておくべき切り口だ。ショートメッセージの使い勝手をよくしたというのが結託の中身。たかがショートというなかれ、米国ではツィッターが不振に陥ったように、ちょっとしたことでネットでは「飽き」が来て、客離れが始まる。若年層をがっちりつかんでいるLINEの「寡占」が裏テーマの記事である。25日早朝以降は見られなくなるがあえて選んでみた。
今週の4本 ムラー特別検察官が暴いた、ロシア介入の手口 |
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【編集長のイチオシ】ロシアの介入/ アマゾンGO/ アップルの中国データセンター/ 携帯3社打倒LINE
公開日:
(ワールド)
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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