新年あけましておめでとうございます
2014年はソチ五輪からウクライナ危機に進み、12月にはロシア通貨ルーブル急落が市場をかく乱しました。ルーブル危機は、ロシア最大の国営エネルギー会社ロスネフチの資金繰り不安が引き金となったことが段々にわかってきています。
ロシアの官民の外貨借り入れの返済問題は、じわじわとロシアを追い詰めそうです。それはロシアが欧州依存から、中国依存へ軸足を移すことにつながっていくでしょう。制裁の副作用は世界にとって長く、大きいものになります。
ロシアはルーブル防衛の際に、為替管理を強めてルーブル売りを締め付けており、すでに資本移動規制ともいえる措置をとっています。統制経済へまた一歩、進んだということです。ロシアを孤立化させたことが、ブロック経済化に追い込んでいる面があります。
ロシアは中国への依存度が高まりすぎることを警戒し、インドに近づくなどプーチンは多面外交を模索しています。しかし、エネルギー利権を中国に売り渡すなど窮状は極まっています。やはり今年は、中国シフトを加速させていくことになるのでしょう。
ウクライナ危機は米ロ新冷戦の本格化を告げ、第二次大戦後、初めて本格的な国境の書き換えになりました。イスラム国にしても、日本やベトナム、フィリッピンと中国の問題にせよ、国境を巡っての国家間の争いが各地で浮上しています。それは第二次大戦の終戦70周年を迎えるなかで、それを引き起こした帝国主義の復活をみているような、覇権主義の台頭です。
権力の集中を進める習近平の中国体制は、覇権主義のにおいがとてもつよい。久しぶりに開かれた日中首脳会談も、距離を縮めるというよりも、尖閣をめぐっての摩擦の種を残してしまったようにも見えます。
ロシアを追い出したG8は再開のメドがたたず、国連を除けば主要国の話し合いの場は失われたままです。結束を固めるべきG7では経済政策を巡って米独の不協和音は絶えません。
政治、経済両面で火種を抱えて明けた2015年。今年もまた、波乱の年であり、従来の延長では地図は描けない年になるでしょう。ニュースソクラにとっては、問題を掘り起し、読者の皆さんと考えるメディアとして力をつける年にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
ニュースソクラ編集長 土屋直也